「初心者向けの用語はもう卒業した」
「テレビの実況で聞く『ジャックナイフ』や『ベーグル』ってどういう意味?」
「試合で『ナイス、DTL!』なんて叫んでみたい!」
そんなテニス沼にハマりつつあるあなたへ。
前回の「初心者編」に続き、今回はテニスコーチ歴25年の私「テニ紡石井」が、知っていると一目置かれる「マニアックでかっこいいテニス用語」を徹底解説します。
プロ選手が使う必殺ショットの名前から、道具(ギア)の深淵なる世界、そして試合観戦が10倍面白くなる業界スラングまで。
これを読めば、あなたのテニスIQは爆上がり。
コートでの会話も、テニス観戦も、よりディープに楽しめること間違いなしです。
さあ、奥深いテニスの世界へ踏み込みましょう!
目次
第1章:一度は叫びたい!「かっこいい必殺ショット・技術」
まずは、名前だけでテンションが上がる、プロ選手のようなかっこいいショットや高度な技術用語です。
1. ウィナー (Winner)
相手がラケットに触れることさえできずに決まる、完璧な決定打のことです。
【コーチの視点:ここがポイント!】
「エース」と言う事が多いですが、ここは敢えての「ウィナー」と言いたいです。
2. ダウン・ザ・ライン (Down the Line)DTL
サイドラインに沿って、ストレートに打ち抜くショットです。
【コーチの視点:ここがポイント!】
これもよく使う言葉ではありますが、「ダウン・ザ・ライン」ではなく頭文字を省略して「DTL」という事でテニスの深淵を覗く者感を醸し出したいです。
3. ジャックナイフ (Jackknife)
高く弾んだボールに対し、片足で踏み切って空中で打つバックハンドストロークです。
【コーチの視点:ここがポイント!】
僕がこの言葉を知ったのはマルセロ・リオス選手が使った時です。
プロテニス界では小柄ながら、超かっこいいプレースタイルで大好きな選手でした。
錦織圭選手の「エア・ケイ」は、これのフォアハンド版とも言えます。
両者とも高い打点を強打する為に考案したショットですが、そんなことはどうでもいいくらいとにかく格好いいショットです。
なので、使用目的は効果ではなく格好いいからです。
4. バギーウィップ (日本人的には)バギーホイップ / (Buggy Whip)
フォロースルー(振り抜き)を体の横ではなく、頭の上に巻き上げるように行う打ち方です。
【コーチの視点:ここがポイント!】
R・ナダル選手が得意とするスイングで、強烈なトップスピン(順回転)がかかります。
ナダル選手が若かりし頃、振り遅れた時にできたショットで、バギーホイップという言葉はナダル選手で確立したと思ってます。
しかし、僕のイメージでは最初に使っていたのはシュテフィ・グラフ選手だと思います。
それまでフォアを打つ際はジャンプしてはいけないと言われてたのが、グラフ選手の出現で「フォアはジャンプして打て!」に変わった記憶があります。
ちなみに別名ウィンドミルとも呼ばれてます。
これは下から突き上げるスイング全般に用いられる言葉です。
僕が初めて聞いたのはボクシングのアッパーカットをウィンドミルと解説してた時です。
なのでバギーホイップはショットの名称なのでそのまま使い、ウィンドミルは「ウィンドミル的なスイング」と言うと知ってる感が醸し出せます。
ちなみに僕は英語で言うのが恥ずかしいので「縦振り」と言ってます。
5. 股抜きショット (Tweener)
相手のロブ(頭上を越える球)を追いかけ、後ろ向きのまま足の間を通して打ち返すトリッキーなショットです。
【コーチの視点:ここがポイント!】
このショットは言葉が格好いいのでありません。
知らない人が聞いたらただの下ネタです。
この言葉は出来てこそ格好いいショットです。
簡単に出来るようになるので是非お試しください。
6. SABR(セイバー)
「Sneak Attack By Roger」の略。R・フェデラー選手が考案した奇襲戦法です。
【コーチの視点:ここがポイント!】
相手のセカンドサーブの時に、リターンで極端に前へダッシュし、ハーフボレーで返球してそのままネットへ詰める技です。
一般人が使えるショットではないですが、僕はフェデラー選手大好きなのでランクインしました。
7.スニークイン(Sneak in)
「スニークイン」とは、相手に気付かれないようにこっそり前進し、ドロップショットやドライブボレーなどの攻撃的なショットを決める戦術です。
【コーチの視点:ここがポイント!】
SABRにしろ「相手に気づかれずに」前に詰めるのはかなり有効な戦術です。
古(いにしえ)から存在する戦術ですが、スニークインという言葉の響きが格好いいのでランクイン。
8. エッグボール (Egg Ball)
ボールが卵型のような軌道を描いて急激に落ち、バウンド後に高く弾む強烈なスピンボールです。
【コーチの視点:ここがポイント!】
現代テニスの攻撃の基本です。
ただの山なりではなく高速でなくてはなりません。
僕の大好きな言葉なんですが、最近めっきり聞かなくなったので、逆に新しいのか?と思いランクインしました。
第2章:知れば玄人!「戦術と陣形」のマニアック用語
試合の流れを読み解くための、少し専門的な戦術用語です。
9. サーブ・アンド・ボレー (Serve and Volley)
サーブを打った直後にネットへダッシュし、ボレーで決める攻撃的なプレースタイルです。
【コーチの視点:ここがポイント!】
かつては主流でしたが、ラケットの進化でストローク速度が上がり、最近は減っています。
この言葉は、なぜサーブ・アンド・ボレーが衰退してのかを知ってる事に意義があります。
サーブ・アンド・ボレーが本当に衰退したのか。
その説明が出来ると格好いいのでランクインしました。
10. チップ・アンド・チャージ (Chip and Charge)
相手のサーブに対し、スライス回転をかけたリターン(チップ)を深く打ち、そのままネットへ突進(チャージ)する戦術です。
【コーチの視点:ここがポイント!】
相手のセカンドサーブなど、甘いサーブを叩く時に使います。
ダブルスでも非常に有効な攻撃パターンです。
僕が大好きな鈴木貴男選手のトレードマークなのでランクイン。
11. アイ・フォーメーション (I-formation)
ダブルスで、サーバーと前衛がコートのセンターライン上に縦一列に並ぶ陣形です。
【コーチの視点:ここがポイント!】
アルファベットの「I」の形に見えることから。
サインプレーとセットで使われる高度な陣形です。
サインを送ってる姿が格好いいのでランクイン。
第3章:試合観戦が面白くなる「スコアとスラング」
テレビやネット中継でよく聞く、ちょっと変わった用語やスラング(俗語)です。
12. ベーグル (Bagel)
1セットを「6-0」で取ることです。数字の「0」がベーグルの形に似ていることから。
ダブルベーグル:「6-0, 6-0」で完勝すること。
屈辱的な敗北でもあります。
【コーチの視点:ここがポイント!】
「ベーグル焼いちゃったよ(0ゲームで負けた)」なんて会話は、海外のテニスファンや選手の間でよく使われます。
日本でもチラホラ聞くようになったのでランクイン。
13. ブレッドスティック (Breadstick)
1セットを「6-1」で取ることです。
数字の「1」が細長いパン(スティック)に見えることから。
【コーチの視点:ここがポイント!】
これはまだ知らない人が多いと思います。
使うなら今!
14. ゴールデンスラム (Golden Slam)
同じ年に4大大会(グランドスラム)すべてに優勝し、さらにオリンピックでも金メダルを取ること。
【コーチの視点:ここがポイント!】
歴史上、元祖縦振りのシュテフィ・グラフ選手(1988年)ただ一人しか達成していない、神の領域の記録です。
15. チョーク (Choke)
勝利目前で極度のプレッシャー(緊張)により、体が硬直して簡単なミスを連発し、逆転負けしてしまうこと。
【コーチの視点:ここがポイント!】
「喉が詰まる」という意味です。
メンタルスポーツであるテニスの怖さを表す言葉です。
誰にでも起こり得る現象です。
勝ちビビりという名称で有名ですが、「チョークしちまった」と言えば何とか体裁を保てるかも・・・。
16. プッシャー (Pusher)
自分からは攻めず、ひたすら緩いボールを打ち返して相手のミスを待つスタイルの選手。
「シコラー(粘り強く拾う選手)」とも呼ばれます。
相手にすると非常に厄介で、根負けしてミスをすると相手の思う壺です。
彼らに勝つには、忍耐力と決定力が必要です。
【コーチの視点:ここがポイント!】
シコラーはよく使うと思いますが、敢えての「プッシャー」と呼ぶことでマニアック感を醸し出せます。
17. グランティング (Grunting)
ボールを打つ瞬間に「アーッ!」などと大きな声を出すこと。
息を強く吐くことでパワーを出し、リズムを作る効果があります。
【コーチの視点:ここがポイント!】
シャラポワ選手やナダル選手が有名ですね。
「まじ今日相手のグランティングうざかったわ」なんてスラっと言えたら完璧です。
第4章:道具へのこだわり「マニアックなギア用語」
ラケットやガット(ストリング)にこだわり出すと、テニスは沼です。
ショップの店員さんと対等に話せる用語です。
18. スイングウェイト (Swing Weight)
ラケットの静止重量(重さ)ではなく、「振った時に感じる重さ」の数値です。
同じ300gのラケットでも、重心が先端にあるとスイングウェイトが高く(重く)感じ、パワーが出ます。
プロはこの数値を1単位で調整します 。
【コーチの視点:ここがポイント!】
「バランス」まではよく使うと思います。
ショップの店員さんに話しかける際は
「このラケットのスイングウェイトどんな感じっすか?」とスカした顔で言いましょう。
展示ラケットにはガットが張ってないのでスイングウェイトがわかりません。
逆にガットが張ってあるラケットを手に取って同じことを聞くと
「振れば分かんじゃね?」と言われる可能性があるので注意。
19. RA値
ラケットの「フレームの硬さ」を表す数値です。
【コーチの視点:ここがポイント!】
数値が高いほどフレームが硬く、ボールを弾くパワーがあります。
低いと「しなる」感覚があり、コントロールや打感を重視する人に好まれます。
「このラケット柔らかいですか?」と聞くより「このラケットのRAどうっすか?」と聞くと通っぽいです。
でも、大抵「柔らかいですよ」みたいな返信され「柔らかいんですね」みたいな返しになりRA値がどうのこうのという話にはならないので安心して使って下さい。
20. ハイブリッド (Hybrid)
縦糸(メイン)と横糸(クロス)で、異なる種類のガットを張ることです。
例えば、「縦に耐久性のあるポリ、横に球乗りの良いナチュラル」を張るなど、お互いの長所をいいとこ取りする張り方です 。
【コーチの視点:ここがポイント!】
何はともあれ拘ってる感は出ます。
21.糸
ストリング・ガットの事。
【コーチの視点:ここがポイント!】
「ストリング」や「ガット」と言わずに「糸」と言う事によってかなりの玄人感が出ます。
本当に何も知らない人はガットの事を「紐」と言います。
まとめ:用語を知ればテニスの「深み」が見えてくる
マニアック編、いかがでしたか? これらの用語を知っていると、プロの試合観戦で解説者が言っていることの裏側まで理解できるようになりますし、自分のプレーに取り入れる際もイメージが湧きやすくなります。
単語そのものもそうですが、意味合いを知ってたり実際出来たりする事に意味がある事も多いです。
テニスは知れば知るほど面白いスポーツです。
あなたのテニスライフが、より「かっこよく」「深く」なることを応援しています!
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