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🎾 【完結編】ムーンボールは「罠」である!アプローチ不要の奇襲ボレーでポイントを奪い取る極意

テニスブログ

2025.12.17

こんにちは!これまで2回にわたり、シングルスにおけるフォアハンドストロークの展開術と、それを支える深くて楽なムーンボールの打ち方について解説してきました。
第1弾では試合の入り方とギアの上げ方。

第2弾では腕の回旋を使って脱力したまま深く突き刺さるボールを打つ技術。

この2つをお伝えしました。
そして今回の第3弾、いよいよ完結編です。

テーマはズバリ、「ムーンボールを使ったポイントの奪取方法」です。

ムーンボールは単なる守りのショットや、時間稼ぎのつなぎ球だと思っていませんか。
そう思っているあなたこそ、ぜひ読んでください。
実はムーンボールこそが、リスクを最小限に抑えつつ、相手をじわじわと追い詰め、最後は楽々とポイントを手にするための最強の攻撃の起点になるのです。
今回は、あなたが手に入れた深いムーンボールを、実際の勝利という結果に変えるための具体的な戦術を徹底解説します。
特に、多くの人が勘違いしている「攻めの手順」を根本から覆す、驚きの奇襲戦法をお伝えします。
テニの試合で勝ち悩んでいる初心者の方から中級者の方まで、必見の内容です。

アプローチショットは打たない!「忍び」の極意

まず、意識をガラリと変えていただきましょう。
多くの人は、ムーンボールで相手を下げたら、返ってきた甘いボールをアプローチショットで叩いてからネットに出ようと考えます。
しかし、今回の戦術は違います。
アプローチショットは打ちません。

あなたがやるべきことは、ムーンボールを打ったその直後に、相手に気づかれないように「前」に移動することです。
これはまさに奇襲攻撃です。

相手のバックハンドの高いところへムーンボールを打ち込んだ状況を想像してください。
相手はベースライン深くへ下げられ、高く弾むボールを処理するために空を見上げます。
この瞬間、相手の視界からコートの前方の景色が消えます。
相手がボールに集中し、苦しい体勢に入ったその一瞬の隙に、あなたは音もなくスルスルとネットへ近づくのです。
そして、相手がやっとの思いで返した浮いたボールを、ワンバウンドさせることなく、あるいはハーフボレーで、直接ボレーして決めるのです。

これが、わざわざアプローチ打ってから出るのとは決定的に違う点です。
アプローチを打つ構えを見せれば、相手はパスを打つ準備をします。
しかし、この戦術なら、相手がこちらを見た時にはもうあなたが目の前にいるのです。
この時の相手の絶望感と言ったらありません。

奇襲成功のコツは「タイミング」と「演技」

この戦術を成功させるための最大のコツは、前に出るタイミングです。
早すぎると相手にバレて、ロブで頭を抜かれてしまいます。
逆に遅すぎると、ボレーできる位置までたどり着けません。
ベストなタイミングは、相手がボールを追って後ろを向きかけた瞬間、あるいはボールを見上げて打点の調整に入った瞬間です。

また、演技力も必要です。
ムーンボールを打った後、一見するとベースラインに留まっているような雰囲気を出しつつ、足だけは静かに前へ進めるのです。
相手が打つ瞬間には、サービスライン付近まで侵入しているのが理想です。
ここで重要なのは、一発で決めようとする力みを捨てることです。
相手はすでに体勢を崩しており、返球コースも限られています。
あなたはただ、ラケット面を作って、空いているコースへボールを運ぶだけでいいのです。
強いショットは必要ありません。
面を合わせて相手のいない場所へポンと落とす。
これだけでポイントは転がり込んてきます。

なぜ「奇襲」なのか? 頻度のコントロールが鍵

この戦術において最も重要な注意点をお伝えします。
それは、この奇襲攻撃を「毎回やってはいけない」ということです。
タイトルにもある通り、これはあくまで「奇襲」です。
ムーンボールを打つたびに毎回ネットに出てしまっては、相手も学習します。
「あいつはムーンボールの後に必ず出てくる」とバレてしまえば、足元に沈められたり、ロブで抜かれたりして、逆にカモにされてしまいます。

基本は、ベースラインでのラリーです。
前回お伝えした深いムーンボールを使って、じっくりと相手を削ってください。
そして、「ここぞ」という場面、あるいは相手が完全に油断した場面で、突然この奇襲を発動するのです。
忘れた頃にやってくるからこそ、奇襲は最大の効果を発揮します。
相手に「いつ出てくるかわからない」というプレッシャーを与えることができれば、あなたがベースラインに留まっている時でさえ、相手は勝手に焦ってミスをしてくれるようになります。

基本に忠実な「打ち方」が成功の土台

もちろん、この戦術を成功させるためには、土台となるムーンボールの質が不可欠です。
中途半端に浅いムーンボールでは、相手に余裕を持って強打されてしまいます。
前回の記事で解説した通り、腕の回旋を使った基本的な打ち方をマスターし、ベースライン深くに弾むボールを打てるように練習しておきましょう。

ボールが高く、深く、相手を押し込むような威力があればあるほど、あなたがネットに出る時間は稼げますし、相手の視線もより上に向きます。
つまり、ストロークの技術と、ネットプレーの戦術はセットで考える必要があります。
もし、ムーンボールが浅くなってしまった場合は、無理に前に出ず、ステイして守りを固める判断力も必要です。

ムーンボールは最強の「指揮棒」

3回にわたってお届けしてきたこのシリーズを通じてお伝えしたかったのは、テニスは速いボールを打つことだけが正解ではないということです。
いかに相手を不快な場所へ追いやり、いかに自分が有利なポジションを取るか。
この陣取り合戦を制するための最強の武器が、誰でも打てるムーンボールなのです。

シコラーと呼ばれることを恐れないでください。
意図を持って打つムーンボールは、立派な攻撃ショットです。
それは相手をコントロールし、ゲームを支配するための指揮棒のようなものです。
相手のバックハンドを執拗に攻め、相手が苦し紛れに返球しようとしたその瞬間、忍者のように前へ出てポイントを奪い去る。
この快感を一度味わえば、もう力任せのテニスには戻れないでしょう。

ぜひ、この3部作の知識をコートで実践してください。
「打つボールが決まらない」と嘆いていた過去の自分に別れを告げ、賢くポイントを重ねる新しいプレースタイルを確立しましょう。
動画では、実際のコート上での動きや、奇襲を仕掛ける絶妙なタイミングなども解説されています。
文字だけでは伝わりにくい間合いを掴むためにも、ぜひ今回の動画も合わせてチェックして、日々の練習に取り入れてみてください。
あなたのテニスが、より賢く、より強く、そして何より楽に勝てるスタイルへと進化することを確信しています。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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