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テニス・ボレーのコツは「昔の格言」にあり?コンパクトな打ち方と基本を徹底解説

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2025.12.21

テニスを楽しんでいる皆さん、ボレーは得意ですか。
スクールのレッスンやYouTubeの動画などで「ボレーはもっとコンパクトにしよう」というアドバイスを耳にすること、本当に多いですよね。
でも、ちょっと待ってください。
「コンパクト」って、具体的にどういう状態のことか迷ったことはありませんか。
単にスイングを小さく縮こまらせて、窮屈な打ち方になってしまっている方も多いかもしれません。
実は、コンパクトというのはスイングを小さくすることではなく、動きを「最適化」することを指すんです。
今回は、テニス界で昔から言われている「格言」をヒントにしながら、試合で本当に使えるフォアボレーの技術とコツについて、もっと気楽に、そして深く掘り下げていきましょう。
これを読めば、きっとボレーに対するイメージがガラッと変わって、次の練習が楽しみになるはずです。

「ボレーは当てるだけで飛ぶ」って本当?

テニススクールに通ったことがある方なら、「ボレーは振っちゃダメ、当てるだけで飛ぶんだよ」とコーチに言われた経験、一度はありますよね。
私は普段、「昔からある常識や格言は、一度疑ってかかってみよう」とお伝えしているのですが、実はこの「当てるだけで飛ぶ」という言葉に関しては、かなり核心を突いていると思っているんです。
もちろん、こう聞くと
「当てるだけで本当に速いボールが打てるの?」
「相手の強い球に負けちゃうんじゃない?」と不安になりますよね。
でも大丈夫です。
ここで言う「当てるだけ」というのは、弱気になってラケットを置くだけにするという意味ではありません。
「余計な動きをしないで、シンプルにしよう」という、動きの最適化のアドバイスなんです。

「当てるだけのスイング」の正体は、ラケットを振ってボールを飛ばすのではなく、ラケットを「止める」ことでボールを飛ばすという打ち方なんです。
私はこれを「止めで飛ばす」と呼んでいます。
ちょっとイメージしてみてください。
壁に向かってボールを投げると、勢いよく跳ね返ってきますよね。
でも、ふかふかのカーテンに向かって投げたら、ボールはポトッと落ちてしまいます。
ボレーもこれと同じ原理なんです。
ラケット面をカベのように一瞬で「軽く」固定する意識を持つことで、結果として鋭いボールが飛んでいきます。
打点でボールとの衝突に負けないように止めようとすると
打点の手前からラケットを動かして衝突に負けないパワーを作ります。
当てるだけで打つとは固定力による無意識のスイングスピードによって飛ばすという事です。
ボールとの衝突に負けないようにパワーを生み出すこの動きは、頭で考えて行うものではなく、身体が勝手に反応してくれる無意識の動作です。
だからこそ、見た目には無駄がなく、とってもコンパクトなスイングになるわけです。
これこそがコンパクトなボレーの正体であり、この物理現象さえ味方につければ、誰でも楽に速い球が打てるようになりますよ。

ラケットと手首の形が「パワーの源」になる

では、この「止めで飛ばす」という動作を、どうやって実際のフォームに落とし込めばいいのでしょうか。
ここでめちゃくちゃ重要になるのが、グリップと手首の形です。
ボールを止めて弾き返す時、手首の形は「背屈(はいくつ)」の状態にしておく必要があります。
背屈というのは、手の甲側に手首を折る動作のことですね。
テイクバックの段階で、飛んでくるボールのタイミングに合わせてこの形を作ってあげます。
そしてここからがポイントなのですが、スイング中もこの背屈の形をキープし続けるんです。

もちろん、手首が痛くなるほどガチガチに曲げる必要はありません。
負担にならない程度に形を作って、それを保つだけでOKです。
状態で打点の瞬間を迎えるとどうなると思いますか。
ボールがラケット面に当たる直前に、手首は一瞬だけ、さらに深い背屈状態になります。
打点で深い背屈から通常の背屈に動くことで衝撃に備えるパワーを生み出します。
その際生じるラケットの一瞬の「切り返し」の動きこそが、ボレーにおけるパワーの源なんです。
自分で一生懸命腕を振るのではなく、形をキープしようとする意識と衝撃への備えが合わさることで、ラケット面で勝手に強力なパワーが生まれるんです。
これが、「振っていないのにボールが鋭く飛んでいく」魔法の正体なんです。

「踏み込んで打て」は信じなくていい?

次にもう一つ、よくある悩みについてお話ししましょう。
「ボレーは踏み込んで打て」
「踏み込みでパワーを出せ」
という言葉、よく聞きますよね。
でも、さっきの「当てるだけ」の話と照らし合わせると、
「えっ、踏み込まないとスピードが出ないの?」
「踏み込まないと手打ちになっちゃうの?」
と混乱してしまいませんか。
結論から言っちゃいますね。
無理に踏み込んでパワーを出す必要はありませんし、踏み込まなくても手打ちにはなりません。
ただ、だからといって足が止まって棒立ちになってしまうのはNGです。ここが少し難しいところですよね。

足はパワーを生み出すためではなく、適切な打点に入るための「移動」のために使ってあげてください。
特に、ボールとの距離が近くなりすぎて詰まってしまわないよう、細かいフットワークで距離感を調整することが大切です。
フォアボレーの基本のフォームとして、打点に入る時には身体が程よく横向きになっているはずです。
右利きのフォアボレーなら、左肩がネットに近くて、右肩が遠い状態ですね。
この身体の向きを作った状態で、右足をネット方向に「ズドン」と大きく踏み込むのって、身体の構造的にかなり不自然で動きにくいんです。
スムーズなリズムで動けば、最後の一歩は自然と左足が前に出ることが多くなるはずです。

上手な選手の動きをよく観察してみてください。
足と腕のリズムがバラバラに動くことって、あまりないんですよね。
リズム的にも身体の形的にも、踏み込みという要素は意識しなくても、自然な足の動きの中に組み込まれているものなんです。
ですから、「よし、踏み込んで威力を出すぞ!」なんて意気込む必要はありません。
もちろん、チャンスボールでふわっと浮いたボールが来た時など、前に詰めた方が有利な場面では、前方に大きく踏み込んで打つこともあります。
でもその場合だって、「踏み込んで威力を出す」というよりは、「ボールに合わせて移動した結果、踏み込んでいた」という感覚に近いんです。
意識するのはあくまで、正確なコンタクトと適切なポジションに入ること。
これさえできれば大丈夫です。

テイクバックの罠!「打点にセット」にご用心

最後に、ボレーの安定感を劇的に変えるテイクバックのお話です。
昔から「ラケットを打点にセットしろ」なんて言われますが、これ、実はちょっとした落とし穴があるんです。
打点にセットしようとしてテイクバックを引くと、多くの場合、脇が開いて上腕が外側に捻じれる「外旋(がいせん)」という動きが入ってしまいがちです。
テイクバックでこの外旋をしてしまうと、いざスイングをする時に、その反動で腕が内側に捻じれる「内旋(ないせん)」が起きやすくなります。

実はこのスイング中の内旋こそが、ラケットの先端を手首でこねて振ってしまう最大の原因の一つなんです。
コーチから「ボレーでラケットを振るな!」と何度注意されても、ついつい振ってしまう方いますよね。
それは決して、あなたの意識が低いからではありません。
テイクバックの時点で「振らざるを得ない腕の形」を作ってしまっている、構造的な問題だったんです。

じゃあどうすればいいの?という話ですが、正解はシンプルです。
テイクバックでは外旋しないように、脇を少し開けるだけに留めてみてください。
そして、打球方向に面を開くのは腕の捻じりではなく、先ほどお話しした手首の「背屈」で行います。
ネットに向かって正面向きの状態で、脇を少し開けて背屈を作ってみてください。ラケット面は右斜め前くらいまでしか向かないですよね。もし、この状態でラケット面が真横や後ろを向いているとしたら、それは引きすぎのサインです。

「これだけじゃラケット面の開きが足りないよ」と感じるかもしれませんが、その足りない分は腕で引くのではなく、身体全体を横向きにすることで補ってあげましょう。
「身体を横向きにする」のが先ではなく、ラケット面の開きの足りない部分を「身体の向きで補う」というイメージです。
これで、コンパクトで理想的なテイクバックの完成です!
この形が作れれば、ボールに対して腕全体が構造的に「押せる形」になります。
すでに押せる形になっているので、打つ瞬間に意図的に頑張って押す必要なんてありません。
意識しなくても、自然とボールを押し出し、かつ「止め」が効いた重いボレーが打てるようになりますよ。

まとめ

いかがでしたか。
フォアボレーの上達において大切なのは、無理にスイングを小さくしようとすることではなく、身体の構造に合わせて動きを「最適化」してあげることなんです。
昔からの「当てるだけで飛ぶ」という言葉は、物理的な「止め」の強さを利用するとっても理にかなったアドバイスだったんですね。
逆に、「踏み込み」や「打点へのセット」といった言葉は、真に受けて頑張りすぎると、かえってスムーズな動きの邪魔をしてしまうこともあります。

大切なポイントは3つ。
手首の背屈をキープすること、テイクバックで肩から生じる余計な上腕の捻じりを加えず身体の向きで調整すること。
そしてラケットを振るのではなくボールの衝撃を受け止める「壁」になることです。
これらを意識して練習すれば、あなたのボレーは驚くほど安定して、試合でも頼れる武器になるはずです。
ぜひ、次回のテニスの練習で、この「新しいコンパクト」の感覚を試してみてくださいね!応援しています!

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