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テニス永遠のテーマ「振動止め」は本当に必要か?

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2025.12.22

みなさん、こんにちは!テニスコートで日々ボールを追いかけていると、ふとした瞬間に「道具」についての深い悩みにぶち当たることってありますよね。
今日はその中でも、永遠のテーマとも言える「振動止め」について、私なりの主観マシマシで、でも長年の経験に基づいた本音トークを展開してみたいと思います。

テニスラケットのストリング(ガット)の真ん中下あたりにちょこんと付いている、あの小さなゴムの塊。
「あんな小さなパーツで何が変わるの?」と思う方もいれば、「あれがないと気持ち悪くて打てない!」という方もいるでしょう。
実は私自身、昔はずっと「付ける派」だったんです。
でも今は「付けない派」に転向しました。
なぜそうなったのか、そして振動止めには一体どんな効果と意味があるのか。
技術的な話からちょっと笑える「あるある」話まで、じっくり語らせてください。

私が「付けない派」に転向した意外な理由

まず、私が振動止めを辞めた一番の理由。
これはもう、恐らく多くの共感を得られると思うんですが、シンプルに「飛んでいって無くなるのが面倒くさいから」なんです。
ハードヒットした瞬間や、ちょっと芯を外して「カシュッ」と変な当たり方をした瞬間、ガットが切れた瞬間に、彼らはまるで弾丸のようにコートの彼方へ飛んでいきますよね。

練習の合間に「すみません、ちょっと待ってください」と断って、目を皿のようにしてコートの隅々を探し回るあの時間。
あれがどうしてもストレスだったんです。
しかも、見つかればいいですが、そのまま行方不明になることもしばしば。
そのたびに数百円が消えていく悲しさと言ったらありません。
さらに、手持ち在庫が切れるたびに買い直す手間も馬鹿にならない。
ある時、「もうこれ、付けなくていいんじゃないか?」とふと思い立って外してみたのが、今のスタイルの始まりでした。

上達の鍵?振動止めを外すと「ラケットが雄弁になる」

でも、単に「面倒だから」という理由だけで外しているわけではありません。
実際に外してプレーしてみると、そこには驚くべき「情報の宝庫」が待っていたんです。
ここからは少し真面目な、テニスの感覚的な話をしましょう。
振動止めを外すとどうなるか。
一言で言うと、「ラケットが雄弁になる」んです。
ボールがストリング面のどこに当たったのか、その位置情報が手に取るように分かるようになります。

打感でわかる「スピンとボレー」の最適打点

テニスにおいて「真ん中で打つ」というのは基本ですが、実はショットの種類によって最適な打点は微妙に異なります。
例えば、強烈なトップスピンをかけたい時、皆さんはラケット面のどこでボールを捉えていますか?
実は、ラケットの真ん中よりもほんの少し「下側」で打つ方が、スピンの掛かりが良く、ボールの飛び出し角度も良くなるんです。
逆にボレーやフラット気味に飛ばしたい時は、真ん中よりも少し「上側」で捉えることで、伸びのあるボールが打てます。

振動止めを付けていないと、この「ちょっと下で捉えた感覚」や「少し上に当たった感覚」が、手に伝わる振動の違いとしてダイレクトにフィードバックされます。
「あ、今のは良いスピンがかかったな」とか、「これはちょっと上で当たりすぎて吹かしちゃったな」という答え合わせが、打った瞬間に完了するわけです。
これが上達には欠かせません。
逆に、振動吸収性の高い振動止めを付けていると、どこに当たってもある程度マイルドで心地よい打感に変換されてしまいます。
それは快適ではあるけれど、ミスヒットや微妙なズレという「貴重な情報」をフィルターで濾過して捨ててしまっているようなものかもしれません。
感覚を研ぎ澄ませたい、打点のコントロールをもっとシビアに行いたいという段階に来たら、一度振動止めを外してみるというのは非常に有効なトレーニングになるはずです。

付ける派の正義!「雑味カット」と「飛びすぎ防止」

では、振動止めは「悪」なのかと言えば、決してそんなことはありません。
付けることには明確な、そして大きなメリットがあります。
それは「雑味を消す」という効果です。
ボールを打った瞬間の「ビヨーン」という金属的な残響音や、手にジーンと残る微細な振動。
これを不快だと感じる人は多いですし、この「雑音」が集中力を削ぐこともあります。
振動止めを一つつけるだけで、打球音は「バシッ」という短く締まった音に変わり、手への衝撃も角が取れて丸くなります。
このクリアな打感を好むのは全く間違ったことではありません。

パワーを抑える「ブレーキ」としての効果

さらに、あまり語られない視点として、「飛びを抑えるブレーキ」としての役割も紹介しておきましょう。
物理的な側面として、振動止めを付けるとストリングのたわみが若干制限され、ボールの飛びがわずかに落ちると感じることがあります。
これはデメリットに聞こえるかもしれませんが、実はメリットにもなり得るんです。

最近のラケットは性能が良くて本当によく飛びますよね。
「どうしてもアウトが多くて困る」「飛びすぎてコートに収まらない」という悩みを持っている方にとっては、あえて振動吸収性の高い振動止めを付けることで、ラケットのパワーを少しだけ「デチューン(性能調整)」して、コントロールしやすくするという使い方ができるんです。
自分のパワーがあり余っている場合、振動止めをリミッターとして使う。
これはなかなか玄人好みのセッティングと言えるでしょう。

ボタン、バー、輪ゴム…形状で変わる効果と選び方

振動止めの種類についても触れておきましょう。
一番メジャーなのは、2本のメインストリングの間に挟む小さなボタンタイプですね。
これは効果もマイルドで、見た目もスッキリしています。
ただ、先ほども言ったように「飛んでいきやすい」のが玉に瑕です。

一方で、横に細長い「バータイプ」や「ワーム(芋虫)タイプ」と呼ばれるものもあります。
これの効果は絶大です。
特に中に液体が入っているタイプなどは、振動をこれでもかと消し去ってくれます。
打感が完全に「無」に近くなるというか、非常にデッドな打ち心地になります。
ここまでいくと、ラケット本来の味が分からなくなるレベルですが、とにかく振動が嫌いだという方には最強の味方になるでしょう。
ただし、重さもそれなりにあるので、ラケットのバランスが変わってしまうことには注意が必要です。

そして、ちょっとマニアックな裏技として紹介したいのが「輪ゴム」です。
そう、あのお弁当とかを留める太めの輪ゴムです。
これをストリングに結びつけるという方法があります。
かつてアンドレ・アガシという伝説の選手がやっていたことで有名になりましたが、これの最大の利点は「絶対に飛んでいかない」ことです。
しっかりと結びつけられているので、どんなに激しいラリーをしても無くなる心配がありません。
見た目はちょっと武骨ですが、機能性は抜群ですし、何よりコストパフォーマンスは最強です。
専用の紐タイプの商品もありますが、まずは輪ゴムで試してみるのも面白いかもしれませんよ。

「振動止めなし=怪我する」は本当?身体への負担について

「振動止めを付けないと肘を痛めるんじゃないか?」と心配される方もいると思います。
これに関しては、私の持論ですが、正しい身体の使い方ができていれば、振動止めがなくても身体への負担はそこまで大きくないと考えています。

すでに肘や手首が痛いという方は、フレームの振動を抑える道具を使うと痛みが軽減する事があります。
ガットではなくフレームに付けるタイプの振動止めや、wilsonのTRIADシリーズを使う事でフレーム振動吸収力を高めるというのも効果的です。

どちらにしても最近はデザインも豊富で、好きなキャラクターやブランドのロゴが入ったものなど、選ぶ楽しみもありますよね。
ラケットのアクセントとして、ファッション感覚で付けるのも立派な理由です。
「これをつけているとテンションが上がる」というのは、メンタルスポーツであるテニスにおいて最強の武器になりますから。

結論:正解はない!今の自分に必要な「感覚」を選ぼう

結論として、振動止めを付けるか付けないか、そこに正解はありません。
「どっちでもいい」というのが究極の答えです。
でも、それは「どうでもいい」という意味ではありません。
自分のプレースタイルや、今求めている感覚に合わせて、自由に選べばいいということです。

もし今、あなたがなんとなく振動止めを付けていて、ショットの感覚がいまいち掴めないなと感じているなら、一度思い切って外してみてください。
ラケットが教えてくれる情報の多さに驚くはずです。
逆に、打球音が気になって集中できない、飛びすぎるのを抑えたいと感じているなら、色々な種類の振動止めを試してみるのが良いでしょう。
バータイプに変えただけで、悩んでいたアウトが減るかもしれません。

たかが小さなゴムのパーツですが、そこにはテニスの奥深さが詰まっています。
ぜひ次の練習では、この「振動」に耳を傾けてみてください。
ラケットと会話するような感覚でボールを打つと、テニスがもっと楽しくなるはずですよ!

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