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【テニス】センスの正体第2弾!アドバイスを吸収する「本当の素直さ」とは

テニスブログ

2026.02.21

今回はテニスのセンスを向上させよう!の第2段になります。
テニスのセンスには
・テニスIQに関わるセンス
・身体能力(運動神経)に関わるセンス
この2つがあります。
前回は、身体能力(運動神経)に関わるセンスの中でも、テニスのセンスの正体は「脳のノイズ除去」である、というお話をしました。余計な思考や雑念を取り払うことで、身体は本来のパフォーマンスを発揮できるようになります。

では、そのノイズを綺麗に除去し、新しい技術や感覚をスポンジのように吸収していく「センスのある人」に共通する特徴とは何でしょうか?

それは、よくテニスの現場でも耳にする「素直さ」です。

「素直な人は上達が早い」 「もっと素直にアドバイスを聞きなさい」

テニススクールや部活で、一度は聞いたことがあるフレーズかもしれません。私たちは皆、頭では「素直さが大事」だと何となく分かっています。しかし、この言葉に対する解像度が低すぎるため、多くの人が「素直さ=言われたことに思考停止で従う従順な性格」だと勘違いしています。

結論から言いましょう。本当の「素直さ」とは、生まれ持った性格などではありません。 それは、「論理力」「精神力・忍耐力」「決断力」という3つの高度な能力が組み合わさった『テニスIQの土台となるOS(基本システム)』なのです。

今回は、なぜ私たちがアドバイスを素直に聞けないのかという心理的メカニズムを解き明かし、「本当の素直さ」の正体とその身につけ方について深掘りしていきます。

なぜアドバイスが「否定」に聞こえるのか?(素直になれない理由)

テニスをしていて、コーチやテニス仲間からアドバイスをもらった時、ふと「イラッ」としてしまった経験はありませんか?

「そんなこと分かってるよ」 「私の打ち方を否定された…」 「今のは風のせいだし!」

と、なんだかモヤモヤして自己防衛に走ってしまう。実はこれ、あなただけではありません。真剣にテニスに向き合っている情熱的な人ほど、陥りがちな罠なのです。私たちがアドバイスを受け入れられない時、心の中では主に3つのエラーが起きています。

① フォームを「自分自身(アイデンティティ)」にしてしまっている

長年コートに通い、何千球、何万球と打って身につけた自分の打ち方。それを指摘されると、まるで「自分という人間」のこれまでの努力や、存在そのものまで否定されたように感じてしまうことがあります。

でも、少し視点を変えてみましょう。あなたの今のフォームは、「今の自分というOS(基本システム)」にインストールされている「ひとつのアプリ(打ち方)」に過ぎません。

もしスマホのアプリの動きが悪くなったら、アップデートしたり、新しいアプリに入れ替えたりしますよね? テニスのフォームも全く同じです。そこに「人格への傷つき」や「プライド」を持ち込む必要はありません。古いアプリはサクッとアンインストールして、最新版を入れる。これが最短で技術をアップデートするコツです。

② 「心地よい世界(慣れたフォーム)」を出るのが怖い

アドバイスを受け入れて新しい打ち方に挑戦すると、必ず猛烈な「違和感」や「一時的に下手になる感覚」がやってきます。フレームショットが増えたり、ボールがネットを越えなくなったりするかもしれません。実は、私たちが無意識に避けているのは、この「変化への恐怖」と「上手く打てない恥ずかしさ」です。

しかし、この違和感は決して間違いではありません。むしろ「成長痛」として大歓迎すべきものです。「なんだか打ちづらいぞ…よしよし、今まさに脳の新しい神経回路が作られている証拠だ!」とポジティブに捉え直すことで、変化への恐怖は乗り越えられます。

③ 知性を「できない言い訳(正当化)」に使ってしまう

ミスをした時や指摘を受けた時、瞬時に脳内で「いや、今のは風が強かったから…」「ガットのテンションが落ちていて…」「球出しのボールが少し短かったから…」と、高度な言い訳を組み立てていませんか?

テニスに熱心で賢い人ほど、自分を正当化する論理を構築するのも上手です。しかし、その素晴らしい知性は「言い訳作り」ではなく、「新しい動きの分析」に使わなければなりません。ミスや動画で映った自分の姿を、感情を一切挟まず「ただのデータ」として受け入れる冷徹さが必要です。

解像度を上げる!「本当の素直さ」を構成する3つのテニスIQ

自分が素直になれない原因(心のブロック)が分かったところで、いよいよ本題です。 先述した通り、本当の素直さとは「思考停止でハイハイと従うこと」ではありません。「自分は間違っているかもしれない」と自らを客観視できる高度な知性のことです。

この知性は、テニスIQを構成する以下の3つのセンスが正常に稼働することで、初めて「素直さ」として機能します。

① 論理力(客観的分析としての素直さ)

論理力とは「プレーを組み立てる力」ですが、これを自分自身に向けることで素直さが生まれます。 自分の感覚や考えが絶対だと思わず、「自分には見えていない視点があるかもしれない」「自分は今、バイアス(思い込み)にかかっているかもしれない」と、自分を少し突き放して見る能力です。

例えば、コーチから「テイクバックが遅い」と指摘された時。 感情的な人は「そんなことない!早く引いているつもりだ!」と反発します。しかし論理力を持つ人は、「自分の『早い』という感覚と、客観的な『早い』という事実にズレがあるんだな。では、どのタイミングで引けばデータとして合うのか?」と考えます。 アドバイスという外部データを、感情のフィルターを通さずに論理的に処理できる能力。これが一つ目の素直さです。

② 精神力・忍耐力(エゴの抑制と成長痛への耐性としての素直さ)

精神力とは「プレッシャーに打ち勝つ力」です。試合のプレッシャーだけでなく、自分自身の「エゴ」や「プライド」に打ち勝つ力でもあります。

アドバイスを受けてイラッとする「自分の防衛本能」に気づき、それをグッと抑え込むには強い精神力が必要です。また、新しい技術を取り入れた際の「心地よい世界から抜け出した強烈な違和感(一時的なスランプ)」から逃げ出さず、慣れるまで地道に反復し続けるには、並大抵ではない忍耐力が求められます。 「すぐに結果が出なくても、この違和感の先に成長がある」と信じて不快なゾーンに留まり続ける強さ。これが二つ目の素直さです。

③ 決断力(古い自分を捨てる決断としての素直さ)

決断力とは「迷わず実行する力」です。 頭で理解(論理力)し、違和感に耐える覚悟(精神力)を決めても、実際のコート上で実行できなければ意味がありません。

いざボールが飛んできた瞬間に、「やっぱりミスしたくないから、前の打ち方に戻そう」という誘惑が必ず襲ってきます。そこで「いや、今日は全部ミスになってもいいから、言われた新しい打ち方で振り抜く!」と腹を括れるかどうか。 長年慣れ親しんだ古い自分の殻を破り、新しい行動へと迷わず飛び込む決断力。これが三つ目の素直さです。

素直さは、すべての能力を爆発させる「OS」である

ここまで読んでいただければ、「素直さ」がいかに高度な能力の結晶であるかがお分かりいただけたと思います。

どれだけ素晴らしい身体能力(瞬発力、体力、調整力など)を持っていても、どれだけ鋭いテニスIQ(発想力、判断力など)を持っていても、この「素直さ」というOSがポンコツであれば、すべての能力の成長はストップします。

なぜなら、今までの自分に固執し、他者の視点を取り入れられない状態は、自分という小さな枠(スケール)の中でしかテニスができないことを意味するからです。 逆に言えば、「論理力・精神力・決断力」に裏打ちされた盤石なOS(素直さ)がインストールされていれば、どんなコーチのアドバイスも、どんな失敗の経験も、すべてを血肉に変えて無限に成長し続けることができます。

明日からコートで実践!上達のための3つのマインドセット

最後に、この「素直さという強力なOS」をコート上で起動させるための、具体的な3つのルールをお伝えします。明日からの練習で、ぜひ意識してみてください。

① アドバイスは「人格否定」ではなく「技術のプレゼント」

指摘されてイラッとしたら、「あ、今自分のアイデンティティ(プライド)が守りに入ろうとしているな」と、一歩引いて観察してください。 相手はあなた自身を否定しているのではなく、あなたの「ボールの打ち方」という物理現象をより良くするためのプレゼントをくれているだけです。心と技術を切り離し、ありがたく箱を開けてみましょう。

② 「対話」を諦めない

素直=言いなり、ではありません。コーチやアドバイスをくれる人との信頼関係(対話)こそが重要です。 ただ一方的に頷くだけでなく、「自分はこういう感覚で打っているんですが、外から見るとどう違いますか?」と自分の世界観も伝えつつ、相手の視点も聞く。お互いの感覚のズレをすり合わせ、納得感を持って練習に取り組むことが、本物の吸収力に繋がります。

③ 「正しさ」より「楽しさ・上達」を選ぶ

「自分の打ち方が正しい」と証明することにエネルギーを使うより、新しい打ち方を試して「あ、こっちの方が楽にボールが飛ぶわ!」と実感することの方が、あなたのテニス人生において何百倍も価値があります。 「自分への固執(正しさ)」は時に自分を孤独にし、成長を止めます。もっと身軽に、変化する自分を楽しみましょう!

おわりに

「素直さ」とは、決して弱さや従順さではありません。 己の弱さを認め、感情をコントロールし、未知の領域へ飛び込むことができる「真に強くて賢いテニスプレイヤーだけが持つ最強の武器」です。

アドバイスに「イラッ」とする気持ちを手放し、新しいアプリをインストールするようなワクワクした気持ちで、明日からのテニスを楽しんでみませんか?

あなたの頭の中にあった「言い訳」や「プライド」というノイズが消え去った時、驚くほどクリアな視界と、思い通りに動く身体が手に入るはずです。あなたのテニスライフが、さらに飛躍していくことを応援しています!

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