こんにちは!ワールドテニススクールのカズッキーです。
前回は身体の動きを一つに連動させることでテニスのショットを劇的に効率よく、美しくさせる連結能力についてお話いたしました。
今回の【運動神経は作れる!】シリーズは第6回目です!
このブログをご覧になっている、お子様にテニスを習わせている親御さん、あるいはご自身でプレーされている方なら、一度はこんな悩みを持ったことはありませんか?
「フォームは綺麗なのに、なぜか空振りやフレームショットが多い」
「練習では打てるのに、試合になると急にミスが増える」
「ボールとの距離が近すぎて、いつも窮屈そうに打っている」
実はこれ、筋力や根性の問題ではなく、脳の「定位能力(ていいのうりょく)」が関係しているかもしれません。
今回は、運動神経を構成する「コーディネーション能力」の中でも、テニスのミスを減らす重要な能力の「定位能力」について徹底解説します!これを読めば、明日からの練習の視点がガラリと変わるはずです。
目次
1. 定位能力の正体とは?「脳内GPS」がテニスを支配する
「定位能力」という言葉は少し難しく聞こえますが、一言でいえば「自分と周囲のモノとの関係性を正確に把握する力」のことです。
テニスコートという空間の中で、以下の3つの要素が「今、どこに、どのような状態で存在するか」を脳が瞬時に計算する能力を指します。
- 動いているもの:飛んでくるボール、走り回る相手
- 止まっているもの:ネット、ベースライン、サイドライン、ベンチ
- 自分自身:自分の立っている位置、ラケットの先端の場所
定位能力が高い人は、まるで自分の体を上空からドローンで眺めているような「俯瞰的な視点」を無意識に持っています。
逆にこの能力が未発達だと、ボールとの距離が測れず、空振りしたり、ネットとの距離を見誤って走るのを諦めてしまったりします。「運動神経が良い」と言われる子の多くは、この「脳内GPS」の精度が極めて高いのです。
2. なぜテニスにおいて「定位能力」が最強の武器になるのか
テニスは「動く球を、動きながら、決まった枠に打ち返す」スポーツです。他の競技と比べても、定位能力の依存度が非常に高いのが特徴です。具体的にどんな場面で必要になるのか見ていきましょう。
① 「正しい打点」は定位能力なしでは作れない
テニスの上達において、最も重要なのは「打点」です。
どんなにプロのような美しいスイングを覚えても、ボールが体から遠すぎれば力が入らず(泳ぐ)、近すぎれば肘が引けて窮屈になります(詰まる)。
定位能力が高い子:ボールの軌道を予測し、自分の「スイートスポット」にボールが来るように、無意識に細かいステップ(調整力)で距離を合わせることができます。
定位能力が低い子:ボールがバウンドしてから「あ、近い!」と気づくため、スイングが崩れてしまいます。
「正しい打点で打てない」のは技術不足ではなく、打点に入るまでの「位置取り(定位)」のミスであることがほとんどなのです。
② ネットやラインとの「感覚の距離」
試合中、いちいちラインを見て走る選手はいません。定位能力が高い選手は、足の裏の感覚や周辺視野だけで「あと30cm右に寄れば、サイドラインをカバーできる」「今のロブは、あと2歩下がればスマッシュが打てる」と判断します。
この「コートとの一体感」こそが、無駄のない動きと高い守備力を生みます。
③ 相手の動きを逆手に取る「陣取り合戦」
テニスは対人競技です。自分とボールの関係だけでなく、「相手が今どこにいるか」を把握しなければなりません。
- 相手がネットに詰めてきたから、足元に沈める。
- 相手が左に寄ったから、右のオープンコートを狙う。定位能力を磨くことで、視野が広がり、相手のポジションの隙を見抜く「戦略的なプレー」が可能になります。
3. 定位能力を飛躍させる練習のコツ:キーワードは「実戦形式」
定位能力は、決まった場所に飛んでくるボールを打つ「球出し練習」だけではなかなか育ちません。なぜなら、景色が変わらないからです。能力を向上させるためのポイントは2つあります。
ポイント1:試合形式の練習を増やす
早い段階から試合(ポイント練習)を取り入れることが重要です。
試合では、相手がどこに打ってくるかわかりませんし、自分も相手を動かそうとします。「相手を見ながらプレーする」という意識が強制的に働く環境こそが、脳の定位能力を刺激する最高のスパイスになります。
ポイント2:情報を制限・変化させる
いつもと同じ条件ではなく、あえて状況を複雑にします。
「太陽が眩しい」「風が強い」「相手が変な回転をかけてくる」といった外的な変化は、脳内GPSの精度を上げるための良いトレーニングになります。
4. 親子でできる!定位能力を鍛えるトレーニング2選
では、具体的にどのようなトレーニングが効果的なのでしょうか。テニスに直結し、かつ遊び感覚で取り入れられるメニューを2つご紹介します。
【トレーニング①】バラエティ・キャッチ&ヒット
【やり方】
- 指導者(または親)が、大きさや重さの違うボール(テニスボール、スポンジボール、大きなビーチボールなど)をランダムに投げます。
- 子供はそれを「ノーバウンドでキャッチ」したり、「ワンバウンドでラケットで打ち返したり」します。
- 投げる時は、あえて高さを変えたり、左右に振ったり、時には「手」ではなく「足」の近くに投げます。
【なぜテニスに必要?(有用性)】
テニスボールだけの感覚に慣れてしまうと、脳は「予測」をサボるようになります。違う大きさ・速度のものを扱うことで、脳は常に「今のボールとの距離はどれくらいだ?」とフル回転で計算し始めます。これが、どんな状況でも正しい打点に入れる調整力を養います。
【トレーニング②】ミラーリング・シャドウ
【やり方】
- 2人がネットを挟んで(またはラインを挟んで)向かい合います。
- リーダー役が左右前後に素早く動きます。
- もう一人は、リーダーの動きを鏡のように真似して動きます。
- 慣れてきたら、リーダーが「止まった」瞬間に、パートナーにボールを投げ、それを正しい打点でキャッチさせます。
【なぜテニスに必要?(有用性)】
テニスは「相手との距離感」が重要です。この練習では、相手の動きを周辺視野で捉えながら自分の位置を調節する訓練になります。「相手の動きを見ながらプレーする」という、実戦で最も必要なスキルが自然と身につきます。
まとめ:定位能力は「一生モノの運動神経」
定位能力は、一度身につけてしまえば自転車の乗り方と同じで、大人になっても忘れません。特に、神経系が著しく発達する「ゴールデンエイジ(5歳〜12歳頃)」にこの能力を刺激してあげることは、テニスだけでなく、あらゆるスポーツ、さらには日常生活での身のこなし(転びにくくなる、障害物を避けるなど)にも大きなプラスになります。
「うちの子、ちょっと不器用かも?」と思ったら、それは伸び代のサインです!
まずは、正しいフォームを押し付ける前に、ボール遊びや鬼ごっこ、今回紹介したトレーニングを通じて、「空間を楽しむ力=定位能力」を育ててあげてください。
テニスコートという広いキャンバスの中で、自分とボール、そして相手の位置を自由に描き出せるようになったとき、お子様の上達スピードは爆発的に上がります。
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