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フォームを教える前に「加減」を教える。どんなスポーツでも活躍できる道具を使いこなす運動神経の育て方【識別能力】【テニス上達】【子供の運動能力向上】

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2026.02.24

「うちの子、ちょっとどんくさいかも……」

「運動神経って遺伝だから仕方ないのかな?」

そんなふうに思っているお父さん、お母さん。ちょっと待ってください!

こんにちは!ワールドテニススクールのカズッキーです。

いわゆる「運動神経」の正体は、脳と神経のネットワークの良さのこと。そしてそれは、適切な時期に適切な刺激を与えることで、後天的にいくらでも伸ばすことができるんです。

前回はテニスでミスを無くして永遠にラリーができるようになる上で大事な「定位能力」についてお話いたしました。

そして、今回の【運動神経は作れる!】シリーズは第7弾!

今、スポーツ科学の世界で最も注目されている「コーディネーション能力

その全7つあるコーディネーション能力の中で今回はテニスだけでなく、球技全般で重要視され、かつテニスをすることで劇的に向上する「識別能力(しきべつのうりょく)」を紹介します!

子どもの一生の財産になる「識別能力」の秘密と、なぜテニスがその能力を鍛えるのに「最強」と言われるのか、深掘りして解説します!

1. そもそも「識別能力」って何?

コーディネーション能力には7つの要素(定位・反応・変換・リズム・バランス・連結・識別)がありますが、その中でも「識別能力」は、一言で言えば「手足や用具を器用に、かつ精密に操作する能力」のことです。

自分の体とラケットやボールといった「外にある物」との関係性を微調整する非常に重要な役割を担っています。

識別能力の具体的な中身

識別能力とは、筋肉の収縮や関節の動きを使用する道具やその場の状況に合わせて「ちょうどいい加減」に調整する力です。

  • 力加減のコントロール: ボールを遠くに投げる、あるいはそっと置くといった強弱の使い分け。
  • 用具との一体化: テニスラケットをまるで手足の一部のように自由に扱う感覚。
  • 視覚との連動: 目で見ている情報(ボールの軌道など)に合わせて、手足の動きを正確に一致させること。

簡単に言えば、「脳が思った通りに、道具や体をミリ単位で動かす精密機器」のようなものですね。

2. なぜ子どもにとって「識別能力」が重要なのか?

この能力が発達していると、周囲から「センスが良い」「飲み込みが早い」と言われるようになります。具体的には、以下のようなメリットがあります。

① 技術の習得がスムーズ

新しいスポーツを始めた際、道具の扱いにすぐ慣れることができます。「どう動かせばどう飛ぶか」という予測能力と修正能力が高いからです。

② ミスが減る

「狙ったところに飛ばない」「力みすぎて空振りする」といった、感覚と実際の動きのズレが少なくなります。プロ選手が「今日は感覚がズレているな」と感じたとき、すぐに修正できるのもこの能力のおかげです。

③ 怪我の防止

自分の体の動きを正確に把握できているため、無理な体勢で打とうとしたり変な力が入ったりすることが減り、結果として怪我を避けやすくなります。

スポーツにおける識別能力の比較

識別能力は、ほとんどすべての球技で中心的な役割を果たします。

スポーツ識別能力が発揮される場面
野球・バットの芯でボールを捉える ・グローブで正確に捕球する
サッカー足のインサイドやアウトサイドを使い分け、絶妙な強さでパスを出す。
バスケシュートの際、リングまでの距離に応じて指先の力を加減する。
テニスラケットの面を数ミリ単位で調整し、回転や方向に変化をつける。

3. テニスが「識別能力」を鍛えるのに最強な理由

テニスという競技は数あるスポーツの中でも「識別能力」が勝敗を分けると言っても過言ではないほどこの能力を酷使します。

自分の手から50cmほど先にある「ラケットの面」を数ミリ単位・数度単位でコントロールし、時速100kmを超えるボールに対応しなければならないからです。

なぜテニスに識別能力が必要なのか?

■ ラケット面(角度)のミリ単位の微調整

テニスで最も識別能力が問われるのは、「インパクトの瞬間」です。

スピンとフラットの打ち分け: ラケット面をわずかに被せてこするのか、垂直に当てるのか。この微細な操作は識別能力そのものです。

面を作るセンス: 相手の強いサーブを返す際、ラケットを振らずに「当てる角度」だけでコースを変える動き。これはラケットを体の一部として認識できていないと不可能です。

■ 「タッチ」と「パワー」の力加減

ボールをただ強く打つだけでなく、強弱のコントラストをつける際にこの能力が発揮されます。

強打とスライス:「強打」はインパクトの瞬間にラケット面を垂直に当ててボールにパワーを真っ直ぐ伝えなければなりません。対して「スライス」はインパクトの瞬間に面に角度をつけてボールをラケット面で滑らせて打ちます。

ドロップとロブ: 全力で振るようなフェイントを見せつつ、インパクトの瞬間にだけ力を抜きボールの勢いを殺す「ドロップショット」。相手の頭上を越えかつベースライン内に収める絶妙な放物線を描かなければならない「ロブ」。

こういった色々なショットを打つための微妙な感覚は識別能力の賜物です。

■ 「スイートスポット」で捉える感覚

識別能力が高い選手は、ラケットのどこにボールが当たったかという手元の振動から、瞬時に「次はもう少し外側で捉えよう」といった修正ができます。

識別能力が低いとどうなる?

もしこの能力が未発達だと、テニスでは以下のような現象が起こりやすくなります。

  • 練習では打てるのに、試合で少しボールが変化するとミスを連発する。
  • ガットの真ん中に当たらず、フレームショット(ガシャり)が多い。
  • 「あと少し弱く」と思っても、極端に短くなったり、逆にアウトしたりと調整が極端。

4. ショットの精度を劇的に上げる!テニスにおける識別能力の役割

テニスのショット別に、識別能力がどう影響しているか詳しく見てみましょう。

サーブ: トスの高さに合わせて最高点の位置で「叩く」力加減。数センチ打点がズレるだけで、ネットかアウトかが決まる繊細なショットです。

リターン: 相手の球速に合わせて、面を「合わせる」か「押し出す」かの瞬時の選択。

ボレー: ネット際での素早い反応の中で、手首を固定しつつ面を「残す」感覚。

ボールの高さやスピン量の制御: 相手を追い詰めるために「高く跳ねるスピン」を打つのか、「低く滑るスライス」を打つのか。これらを意識して打ち分ける練習を繰り返すことで、脳内の識別スイッチがどんどん磨かれていきます。

豆知識: プロ選手がラケットの重さを数グラム単位で調整したり、ガットのテンションにこだわったりするのは自分の研ぎ澄まされた「識別能力」が狂わないようにするためです。それほどまでにテニスは繊細なスポーツなのです。

5. 【実践】識別能力を鍛えるトレーニング2選

識別能力は単調な繰り返し練習よりも「変化のある遊び」の中で最も磨かれます。テニスの上達に直結するおすすめのトレーニングを2つご紹介します。

① 「マルチボール・チェンジ」

大きさや重さ、硬さの違うボールを交互に打つ、あるいは投げるトレーニングです。

やり方: 通常のテニスボール、スポンジボール、重さの違うテニスボールをランダムに混ぜて交互に的を狙って打ちます。

なぜテニスに必要か: 脳が瞬時に「あ、これは重いから強く打とう」「これは軽いから優しく」と判断する練習になります。試合では相手によってボールの「重さ」や「勢い」が毎回異なります。この練習で、どんなボールに対しても瞬時に最適な力加減を出力できる脳が作られます。

② 「ターゲット・デプス・コントロール(距離の打ち分け)」

同じフォームから、飛距離だけを変える練習です。

やり方: サービスライン、ベースライン、その中間などコート内に複数のターゲット(コーンなど)を置きます。同じスイングスピードを意識しながら手首や面の角度、スピン量だけを微調整して、交互に狙った場所へ落とします。

なぜテニスに必要か: テニスで最も難しいのは「全力で打つこと」ではなく「コートに収めること」です。この練習は識別能力の核心である「微調整」を極めるもの。これができるようになると、試合中に「少しアウトが多いな」と感じたとき、瞬時にスピン量を増やして収めるといった自己修正能力が身につきます。

まとめ:識別能力は道具を使うスポーツにとても重要

識別能力は一度身につくと大人になっても「身体感覚」として残り続ける一生モノの財産です。特にゴールデンエイジと呼ばれる子どもの時期にテニスを通じてこの能力を磨くことは将来どんなスポーツに転向したとしても大きなアドバンテージになります。

テニスはボールを打つ楽しさの中で自然と脳と神経が鍛えられる素晴らしいスポーツです。

まずは「当てる楽しさ」から。

そして「狙う楽しさ」へ。

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