
目次
ダブルスのボレーを3段階で考えてみる
「プロ」という言葉を聞くと、どんな人を思い浮かべますか?
プロ選手。
プロコーチ。
その道でお金を稼いでいる人。
一般的には、そんなイメージが強いですよね。
でも、私が今回考えてみたい「プロ」は、もう少しフランクな意味です。
例えば、テニスをしていて、
「この人、ボレー上手いな」
と思う人がいる。
でも、その中でも、
「なんか、この人のボレーはプロっぽいな」
と感じる人がいる。
この違いって何なんでしょう?
単純に技術が上手いだけではありません。
ボールを打つ技術だけではなく、
その人が何を考えているのか。
どういう場面で、どう振る舞うのか。
そのショットによって、相手に何をさせようとしているのか。
ここまで含めて「プロっぽさ」が出てくるのではないかと思います。
そこで今回は、ダブルスのボレーを題材にして、
「ボレーのプロ」を3段階に分けて考えてみます。
ボレーのプロには3段階ある
私が考えるボレーのプロは、大きく3段階です。
LEVEL 1
繋ぎのプロ
LEVEL 2
攻めのプロ
LEVEL 3
決めきるプロ
この3つです。
これは、
「初級・中級・上級」
という単純なレベル分けではありません。
ポイントは、
相手に対して、どれだけ影響を与えられるか。
です。
LEVEL 1 繋ぎのプロ
最初の段階は、
「何でも返せる人」
です。
速いボールが来ても返せる。
足元に来ても返せる。
身体に来ても返せる。
低いボールでも、高いボールでも返せる。
追い込まれても、相手コートに返球できる。
これが、
繋ぎのプロ。
繋ぎのプロの目的は「生き残ること」
ここで大切なのは、
「きれいなボレーを打つ」
ことではありません。
「強いボレーを打つ」
ことでもありません。
まず、
このボールをどう処理すれば、失点せずに次へつなげられるか?
を考える。
これが繋ぎのプロのOSです。
難しいボールが来ても、
「ヤバい!」
と慌てるのではなく、
「はい、これも返す。」
という感覚。
無理に振らない。
無理に決めない。
無理に角度をつけない。
相手のボールのエネルギーを利用して、必要最低限の仕事をする。
つまり、
ボレー=打つ
ではなく、
ボレー=処理する
というOSを持っています。
LEVEL 2 攻めのプロ
ここから、ボレーの世界が一気に変わります。
繋ぎのプロは、
「自分が失点しない」
ことを考えます。
しかし、攻めのプロは違います。
「このボレーを打った結果、相手をどういう状態にするか?」
を考えます。
ここからボレーは、単なる「返球」ではなくなります。
攻めのプロは「相手の自由」を奪う
例えば、
相手の足元に落とす。
身体に向ける。
オープンスペースへ運ぶ。
低く滑らせる。
相手が触れるギリギリの場所へ送る。
どれも、
「ものすごく速いボレー」
とは限りません。
それでも、相手は苦しくなります。
なぜでしょう?
相手の次の選択肢が減るからです。
つまり、
攻める=強く打つ
ではありません。
本当の攻撃とは、
相手の自由を奪うこと。
これが攻めのプロの考え方です。
攻めのプロは「次の一球」を作る
ここが非常に重要です。
普通にボレーをしていると、
「今のボレー、入った!」
で終わってしまいます。
でも、攻めのプロは違います。
ボレーを打った瞬間に、
「次はどこに返ってくる?」
と考えます。
例えば、
相手の足元にボレーする。
↓
相手が苦しい状態で返す。
↓
返球が浮く。
↓
次のボレーで攻める。
こうやって、相手を少しずつ追い込んでいく。
つまり攻めのプロは、
1球のボレーでポイントを終わらせようとしているわけではありません。
次のチャンスを作るために、今のボレーを使っている。
ここが大きな違いです。
そして、ここからが「決めきるプロ」への道
実は、ここからが今回の話の本題です。
「決めきるプロになりたい!」
そう思う人は多いと思います。
もちろん、私も決めきるプロを目指してほしい。
しかし、
いきなり決めきるプロにはなれません。
なぜなら、決めるためには、
「決められるボール」
が必要だからです。
相手からチャンスボールを引き出す
例えば、相手が苦しい状態で返球してきた。
ボールが浮く。
短くなる。
コースが甘くなる。
ここで初めて、
「決めきる」
という仕事がしやすくなります。
つまり、
決めきるプロになるためには、まず相手からチャンスボールを引き出せる人になる必要がある。
ということです。
そして、そのために必要なのが、
攻めのプロになること。
「攻める」と「決める」は別物
ここを勘違いすると、テニスが一気に苦しくなります。
相手の足元に打つ。
↓
相手が苦しくなる。
↓
返球が浮く。
↓
チャンスボールになる。
↓
そこで決める。
これが理想的な流れです。
ところが、
「攻める=決める」
と考えてしまうと、
最初のボレーから、
「この一球で決める!」
となってしまう。
結果、
力む。
振る。
狙いすぎる。
ネットする。
アウトする。
……はい。
攻めているつもりが、自分が先に死にます(笑)。
これは攻撃ではありません。
ただの自爆です。
攻めのプロは「決めるための環境」を作る
だから、攻めのプロの仕事は、
ポイントを終わらせることではありません。
まず、
相手を苦しくして、ポイントを終わらせやすい状況を作ること。
です。
これを繰り返していくと、
相手からチャンスボールが返ってくる回数が増えていきます。
チャンスボールが増えれば、
当然、
決めるチャンスも増えます。
これが、
繋ぎのプロ
↓
攻めのプロ
↓
チャンスボールを引き出す
↓
決めきるプロ
という成長の流れです。
LEVEL 3 決めきるプロ
そして最終段階。
決めきるプロ。
定義はシンプルです。
相手に返球させない。
速いボレーを打つ人ではありません。
強いボレーを打つ人でもありません。
相手が返せない状況を作れる人。
これが決めきるプロです。
決めきるプロは「決めよう」としない
少し矛盾して聞こえるかもしれません。
決めきるプロなのだから、
「決めるぞ!」
と力いっぱい打っているように思えます。
でも、実際には逆です。
決めきるプロは、
「どうすれば相手が返せなくなるか?」
を考えています。
相手の位置。
相手の体勢。
相手の移動。
空いているスペース。
返球しにくい高さ。
返球しにくい速度。
それらを組み合わせて、
相手に返球させない状態を作る。
だから、必ずしも強打する必要はありません。
必要なだけの力しか使わない。
なぜなら、
「強く打つ」と「返せない」は別物だからです。
3段階をまとめるとこうなる
ここまでを整理してみましょう。
繋ぎのプロ
自分をコントロールする。
「このボールをどう処理する?」
↓
何でも返せる。
攻めのプロ
相手をコントロールする。
「このボレーで相手をどう苦しくする?」
↓
相手の選択肢を減らせる。
↓
相手からチャンスボールを引き出せる。
決めきるプロ
ポイントをコントロールする。
「どうすれば相手に返球させない状態を作れる?」
↓
ポイントを終わらせられる。
そして、ダブルスでこの能力が最も問われるのが「1stボレー」
ここで、今回の話をダブルスに戻します。
サービスダッシュ。
レシーブダッシュ。
アプローチからネットへ。
ダブルスでは、ネットに出ることで大きな攻撃力を得られます。
ところが、
ネットに出ただけでは、まだ攻撃は完成していません。
その直後に待っているのが、
1stボレーです。
1stボレーとは、サービスダッシュやレシーブダッシュの後に最初に触るボレー。
私はこの1本を、
「守備から攻撃への超分岐点」
だと考えています。
1stボレーが甘いと、せっかく前に出たのに逆に苦しくなる
例えば、
サービスを入れる。
↓
前へ出る。
↓
相手のリターン。
↓
1stボレー。
ここでボレーが浅い。
高い。
浮いている。
相手の打ちやすい場所に行く。
するとどうでしょう?
せっかく自分からネットへ出たのに、
相手に攻撃の権利を渡してしまいます。
「ネットミスしたくない」
「アウトしたくない」
そう思って弱気になると、さらに中途半端なボレーになってしまう。
そして、
並行陣を作る前に形勢逆転。
これは非常にもったいない。
逆に、1stボレーを攻撃の起点にできたら?
ここで先ほどの「攻めのプロ」が登場します。
1stボレーを、
深く、低くコントロールする。
すると、
相手を後ろへ下げられる。
相手の打点を下げられる。
相手の攻撃力を奪える。
返球の選択肢を減らせる。
そして、
次のボレーを攻めやすくなる。
さらに相手が苦しくなれば、
チャンスボールが返ってくる。
そこで、
決めきる。
これがダブルスにおける理想的な流れです。
でも、「言うのは簡単だけど…」と思いませんか?
ここまで読んで、
「なるほど、攻めのプロになることが、決めきるプロへの近道なのね」
と思っていただけたでしょうか?
でも、同時にこうも思いませんでしたか?
「理屈は分かったけれど、実際のコートでどう練習すればいいの?」
「1stボレーを深く低くコントロールする感覚って、どう身につければいいの?」と。
……はい、お察しの通りです(笑)。
ここから少しだけ、その具体的な解決策のご案内をさせてください。
実は今回、そんな皆さんのために、まさにこの
「1stボレーで攻めのプロになる」
ための特別レッスンをご用意しました。
決めきるプロを目指すのはもちろん大切。
でも、その前に、 相手を苦しくする1stボレー を身につける。
「とりあえず入れる」から、 「相手を苦しくするために入れる」 へ。
ここをコート上で徹底的に練習します。
今回の2時間で目指したいのは、
「1stボレーを返せる人」 から、
「1stボレーで相手を苦しくできる人」 への変化です。
そして、それが「決めきるプロ」への第一歩になる
攻めのプロになると、何が変わるのか?
単純に、
「ボレーが上手くなる」
だけではありません。
相手から、
チャンスボールが返ってくる回数が増えます。
これがものすごく大きい。
今まで、
「決めたいのに、決められるボールが来ない」
と思っていた人。
もしかすると、
決める技術の問題ではなく、チャンスボールを自分で作れていないだけかもしれません。
攻める。
↓
相手を苦しくする。
↓
チャンスボールを引き出す。
↓
決める。
この順番です。
だから今回のイベントは、
「決めきるプロになるための準備」
でもあります。
あなたのボレーは、今どのプロですか?
最後に、もう一度考えてみてください。
あなたのボレーは、
「とりあえず返せる」
でしょうか?
それとも、
「相手を苦しくできる」
でしょうか?
あるいは、
「相手に返球させない」
ところまで行っているでしょうか?
もちろん、いきなり全部できなくて大丈夫です。
むしろ、
順番が大切です。
まずは、
繋ぎのプロ。
何でも返せる。
そこから、
攻めのプロ。
相手を苦しくする。
そして、
決めきるプロ。
相手に返球させない。
この順番で進んでいきましょう。
9月23日、1stボレーを「攻撃の武器」に変えます
今回のイベントは、
9月23日(水祝)11:15〜13:15
に開催します。
担当は、
石井コーチ。
使用コートは、
3番コート。
対象は、
中上級以上。
募集人数は、
8名限定。
参加費は、
3,600円+税(税込3,960円)
です。
今回やるのは、
「1stボレーをネットに入れましょう」
だけのレッスンではありません。
もちろん、入らなければ始まりません。
でも、そこがゴールではありません。
繋ぎのプロから、攻めのプロへ。
そして、
攻めることで相手からチャンスボールを引き出し、将来的に決めきるプロへ。
そのための2時間です。
1stボレーを「守るためのショット」で終わらせない
せっかくネットに出たのなら、
ただ失点しないだけでは、ちょっともったいない。
1stボレーを、
守備から攻撃へ切り替えるスイッチ
にしてしまいましょう。
深く。
低く。
そして、相手を苦しく。
その結果、
相手からチャンスボールが出てくる。
そして最後は、
「いただきます!」
と決める。
これができるようになったら、ダブルスはかなり楽しくなります。
……そして、ここまで読んで、
「いやいや、俺は決めきるプロになりたいんだよ!」
と思った方。
大丈夫です。
決めきるプロへの道は、まず攻めのプロからです(笑)。
いきなりラスボスに挑まず、まず中ボスを倒しましょう。
9月23日は、そのための2時間です。
1stボレーで相手を苦しくできる自分を作りましょう。
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