みなさん、こんにちは!
週末のコートやスクールなどでテニスを楽しんでいると、ふと周りのプレーヤーを見て「あの人、本当にボレーが上手いな」と思うこと、ありませんか?
ダブルスの試合において、ネットプレー、特に「ボレー」の技術は勝敗を大きく左右します。でも、よく観察してみると、「ただ単にボレーが上手い人」と、「なんだかこの人のボレーはプロっぽいな(玄人だな)」と感じさせる人がいることに気がつくはずです。
この違いはいったい何なのでしょうか?
「プロ」という言葉を聞くと、テレビで見るようなツアートッププロや、レッスンでお金を稼いでいるプロコーチを思い浮かべるかもしれません。しかし、今回お話ししたい「プロ」は、もう少しフランクな意味合いです。市民大会やクラブ内の試合で、相手に強烈なプレッシャーをかけ、試合を支配してしまう「コート上の仕事人」のような存在のことです。
彼らから感じる「プロっぽさ」は、単純にラケットワークが綺麗だとか、ボールを打つ技術が優れているといったことだけではありません。
「その人がコート上で何を考えているのか」「どういう場面で、どう振る舞うのか」「そのボレーによって、相手に何をさせようとしているのか」
こういった思考の深さや戦術的な意図が、プレーの端々に現れているからこそ、私たちは「プロっぽい」と感じるのです。
そこで今回は、ダブルスのボレーを題材にして、「ボレーのプロ」を3つの段階(レベル)に分けて詳しく紐解いていきたいと思います。そして最後に、これらの能力が最も問われる最重要ショット「1stボレー」を成功させるための具体的な技術とコツをご紹介します。
この記事を読み終える頃には、あなたのボレーに対する意識がガラッと変わり、明日からの練習がもっともっと楽しくなるはずですよ!
目次
🎾 ボレーのプロには「3つの段階」がある
私が考える「ボレーのプロ」には、大きく分けて以下の3つの段階があります。
- LEVEL 1:繋ぎのプロ
- LEVEL 2:攻めのプロ
- LEVEL 3:決めきるプロ
これは決して「初級・中級・上級」という単純な技術レベルの分類ではありません。一番のポイントは、「相手に対して、どれだけ戦術的な影響を与えられるか」という点にあります。それぞれのレベルで求められる役割と、具体的なテクニックを見ていきましょう。
🛡️ LEVEL 1:繋ぎのプロ 〜まずは「生き残る」こと〜
最初の段階は「何でも返せる人」、つまり「繋ぎのプロ」です。
ダブルスの試合では、常に自分の打ちやすいボールが飛んでくるとは限りません。 相手の前衛から鋭いボレーが飛んでくることもあれば、足元に沈む厳しいストロークが来ることもあります。時にはボディ(身体の正面)を狙われたり、ロブ気味の高いボールを処理させられたりすることもあるでしょう。
そんな、どんなに苦しい状況や追い込まれた体勢からでも、なんとかラケットの面を作り、相手コートにボールを返球できる。これが「繋ぎのプロ」の真骨頂です。
💡 繋ぎのプロの目的は「生き残ること」
繋ぎのプロが最も大切にしている目的は、ポイントの中で「生き残る」ことです。テニスはミスをした方が失点するスポーツですから、相手の厳しい攻撃に対して1球でも多く返すことができれば、それだけでプレッシャーを跳ね返し、相手のミスを誘うことができます。
まずはこの「繋ぎのプロ」になることで、ダブルスのラリーにおいて簡単には崩れない強固な土台が出来上がります。
⚔️ LEVEL 2:攻めのプロ 〜相手の自由を奪い、次を作る〜
繋ぐことができるようになったら、次は「攻めのプロ」へのステップアップです。
繋ぎのプロが「自分の陣地を守るディフェンス」だとすれば、攻めのプロは「相手の陣地を切り崩すオフェンス」です。しかし、ここで言う「攻め」とは、決して力任せに強打して一発でポイントを終わらせることではありません。
💡 攻めのプロは「相手の自由を奪う」
攻めのプロの本当の恐ろしさは、相手に「嫌なこと」を徹底的に強いるところにあります。 例えば、相手が後衛であれば、ベースライン深くにコントロールして相手の強打を防いだり、逆に浅いアングル(角度のついた)ボレーを打って前後に揺さぶったりします。相手が前衛であれば、足元の取りにくい低い位置にボレーを沈めます。
つまり、相手が気持ちよくスイングできる「自由な空間と時間」を奪うことが、攻めのプロの仕事なのです。
💡 攻めのプロは「次の一球」を作る
そして、ここが非常に重要なポイントです。攻めのプロは、自分の打ったボレーで直接ポイントが決まることを期待していません。彼らの目的は「チャンスボールを引き出すこと」、つまり「次の一球を作ること」なのです。
「攻める」と「決める」は別物です。 多くのアマチュアプレーヤーは、少しでもチャンスらしきボールが来ると「ここで決めなきゃ!」と力み、無理なコースを狙ってネットにかけたり、アウトにしたりしてしまいます。しかし、プロっぽいボレーヤーは違います。
攻めのプロは、自分自身やパートナーが「決めるための環境」を、じっくりと、しかし確実に作り上げていく戦略家なのです。
🎯 LEVEL 3:決めきるプロ 〜究極の「攻め」がもたらす必然のフィニッシュ〜
そして、いよいよ最終段階。ここからが真の「決めきるプロ」への道です。
実は、この「LEVEL 3:決めきる」という段階は、突然別の能力が必要になるわけではありません。LEVEL 2である「攻め」のレベルが極限まで上がった先にある、延長線上の姿なのです。
💡 攻めの精度が上がると「決めきる」になる
「攻めのプロ」として相手の自由を奪い、次の一球を作る技術がさらに研ぎ澄まされていくとどうなるでしょうか。
コントロールの精度が上がり、「よりシビアなコース」を正確に狙えるようになります。 フットワークやスイングの効率が上がり、「より速いスピード(球威)」でボレーを打ち込めるようになります。
これまで相手が「なんとか返せていた(チャンスボールになっていた)」ボールが、より正確に、より鋭い角度で、より速く飛んでくるようになるのです。その結果、相手はもはやラケットに当てることすらできなくなり、ポイントを奪えます。
つまり、「決めきるプロ」とは、特別な必殺技を持っているわけではありません。「攻め」の質を究極まで高め、より相手を苦しめることができるようになった結果として、自然と「決めきる」という選択肢を取れるようになった状態なのです。
💡 決めきれる「状況の判断」と「見逃さない能力」
そして、LEVEL 3に到達した「決めきるプロ」が最も優れているもの。それが、「今が決めきるチャンスだ」という状況の判断力と、その一瞬を絶対に見逃さない能力です。
どれだけシビアなコースを狙える技術があっても、相手の状況によっては単なる「リスクの高いショット」になってしまいます。
「相手が完全に苦しんでいるサイン」や、決めきれるショットが打てる状態を察知した瞬間、彼らは絶対にそのチャンスを見逃しません。「ここだ!」と判断した瞬間に迷わず仕留めに行きます。
つまり、「相手の苦しい状況を正確に読み取り、チャンスの兆候を逃さず決断する力」があるからこそ、究極の攻めが「必然のフィニッシュ」へと繋がるのです。
相手からすれば、少しでも甘いボールを打てば、次は手も足も出ないようなシビアなコースに、鋭いボレーが突き刺さることになります。
「決めきるプロ」のボレーは、状況判断を見誤らず、「決まるべくして決まる」必然のフィニッシュなのです。
🚀 すべての鍵を握る「1stボレー」の極意
さて、ここまで「ボレーのプロ」の3段階(繋ぐ・攻める・決める)について解説してきましたが、ダブルスの実戦において、この能力が最も厳しく問われる瞬間があります。
それが「1stボレー」です。
1stボレーとは、サーブを打ってから前に出る(サーブ&ボレー)、あるいはリターンを打ってから前に出る(アプローチ&ボレー)際に、ネット付近で最初に打つボレーのことです。多くの場合、サービスライン付近のやや遠い位置(ミドルコート)で打たされることになります。
⚠️ 1stボレーが甘いと、せっかく前に出たのに逆に苦しくなる
ミドルコートは、テニスにおいて最も難しい場所、いわゆる「デッドゾーン」です。ここで打つ1stボレーが甘く浮いてしまったり、短くなってしまったりすると、相手の前衛に簡単にポーチ(ボレーの横取り)で決められてしまいます。せっかく攻撃のために前に出たのに、1stボレーのミスや質の低さのせいで、一転して絶体絶命のピンチに陥ってしまうのです。
✨ 逆に、1stボレーを「攻撃の武器」にできたら?
もし、あなたの1stボレーが「LEVEL 1(繋ぐ)」の安定感を持ちながら、「LEVEL 2(攻める)」の意図を持って深く厳しくコントロールできたらどうでしょう? 相手は苦し紛れにボールを上げるしかなくなり、あなたのペアには必ず「LEVEL 3(決めきる)」ための道が開かれます。
つまり、1stボレーを制する者が、ダブルスを制すると言っても過言ではありません。
🌟 おわりに:あなたのボレーは、今どのプロですか?
いかがでしたでしょうか。 「繋ぎのプロ」「攻めのプロ」「決めきるプロ」、そしてそれらを統合する「1stボレー」。
テニスのダブルスは、ただボールを打ち合うだけでなく、ペアと連携しながら陣取りゲームを行い、相手を心理的・戦術的に追い詰めていく、まるでチェスや将棋のような奥深いスポーツです。
今のあなたは、3つのプロのうち、どの段階にいるでしょうか? 「まだどんなボールでも返せる自信がないな」という方は、まずは壁を作って全てを返球する「繋ぎのプロ」を目指してみてください。 「いつも一発で決めようとしてミスしてしまう」という方は、次の一球を作るための「攻めのプロ(配球のプロ)」に意識をシフトさせてみましょう。 そして、その「攻め」の質をどこまでも高め、チャンスボールや相手が崩れた瞬間のサインを見逃さずに捉えられるようになれば、あなたは自然と「決めきるプロ」の領域へと足を踏み入れているはずです。
1stボレーを単なる「守るためのショット」「ただ前に出るための通過点」で終わらせないでください。あなたの1stボレーが攻撃の起点に変わった時、ダブルスの世界はまったく新しい、エキサイティングな景色を見せてくれるはずです。
次回の練習から、ぜひ「ボレーの3段階」を意識して、コートでのプレーを楽しんでくださいね!あなたのテニスライフがさらに充実したものになることを応援しています!
カテゴリー
最新の記事
- 「ボレーが上手い人」と「ボレーのプロ」は違う!ダブルスで勝負を決める3つのレベルと1stボレーの極意
- 【246期・中上級3週目】アプローチの伏線を回収せよ!「ハイボレー型スマッシュ」と、5週目へ繋がる「押さない守備」
- 246期2週目球出し打ちまくりのレッスン内容振り返り
- 246期1週目球出し打ちまくりのレッスン内容振り返り
- 246期1週目の中級テーマ
ワールドテニススクールでは随時体験レッスンを受け付けています。
道具が無くても気軽に始められますのでよかったらご利用ください。
平日土曜 9時から19時(火曜定休)
日曜祝日 9時から16時
お電話でお申込みができます。
お気軽にご連絡ください。
石井コーチのyoutubeはこちら

石井コーチのInstagramはこちら

ワールドのInstagramはこちら
